« 2010年05月 | メイン | 2010年08月 »

2010年07月 アーカイブ

a000093

医薬品業界の話

NB商品は市価でないと売れない医薬品業界の話です。

とあるメーカーが、メーカー希望小売価格800円のところが375円。

メーカー希望小売価格の半値以下です。

スーパーの価格です。

コンパクト洗剤1.5キログラムが、一般薬局で598円、Xドラッグストアでは295円。

これも半値以下です。

こうしたディスカウント価格の中で「うちは専門店で、ディスカウンターではないから安くは売れない」といっていてメーカー希望小売価格で売っていて客はくるだろうか。

まれにくる客があっても多くは安い店に行くだろう。

中小商店もNB(ナショナル・ブランド)やスペースコレクション・プロダクトで、市場で安売りされているスペースコレクション・プロダクトは、最低の安売り価格でなくとも市価で売らなくては客は来ません。

どの業界も同様です。

市価とは、その地域の多くの店で売られている価格です。

週に一回ぐらいは大型店、スーパーマーケット、ディスカウントストアなど五~六店は選んで定期的に価格調査をして、自分の店の地域の市価を把握することが必要です。

a000094

スペースコレクション・プロダクト四つの要素

なぜ市価で売らなくてはならないのか。

商店の競争は、スペースコレクション・プロダクトの価格、品質、サービス、独自性の四つです。

この四つの要素のうち価格を除く三つがディスカウンターより優れていたら専門店へも客は来る。

まず品質。

これはスーパーの売っているスペースコレクション・プロダクトも中小商店で売っているスペースコレクション・プロダクトもNB商品なら、全く同じだから差別化できない。

サービスというのは品揃えの幅、奥行き、店舗の広さ、快適さ、従業員の応対などです。

残念ながら、どれをとっても中小商店の方が劣っています。

したがって、これからこれらの充実が、価格競争に勝つ方法の一つにもなるのです。

独自性とは特別の条件のサービス、スペースコレクション・プロダクトがあるかということです。

薬局などは少々、漢方薬やヘルス食品、自然化粧品などを置いてあるところがあるが、大型店、ドラッグ・チェーン店も置いている。

独自性というほどのものではありません。

したがって独自性で差別化はできません。

残される競争条件は価格だけです。

中小商店といえど、これからは安く売られているNB商品は市価で売らなくては客は来ません。

サービス、独自性、価格すべてが劣っていては客は来ません。

「そんなに安く売ったら経営できなくなると」いうが消費者には中小商店が食えるか、食えないか、そんなことは関係ない。

自分のメリットのある店に買物に行くのは当たり前です。

a000095

価格競争

価格競争にどう中小商店は対応したらよいのか。

価格競争が行きつくところまでいってしまったアメリカに、価格破壊におかれているわが国の中小商店がどう対応したらよいのかというモデルがあります。

日本では専門店は「NB商品も安売りしない」という考え方があるが、アメリカでは「専門店もNB商品は市価(市場の実勢価格)で売るもの。

実勢価格でなくては売れない」というのが常識です。

91年6月の、アメリカの玩具業界で売上のベストアイテムである「任天堂ゲームボーイ」の業態別の価格比較。

トイザラスはすでに日本に上陸し九五年中に三十店舗体勢に入るとみられており、わずか三年で日本の玩具業界を混乱に陥れたディスカウント専門店で、アメリカではカテゴリーキラー(部門の殺し屋)といわれているが、まさにその名に恥じぬパワーを持っている。

このトイザラスが任天堂ゲームボーイを89.99ドルで売っています。

それに対抗している玩具専門店ケイ・ピー・トイはわずかに下回って89.22ドルで売っています。

しかしトイザラスに対して高級玩具店で「玩具のディズニーランド」を自称しているシュワルツはトイザラスより高く100ドルです。

わずか10ドル、1割ほど高いだけです。

ディスカウント業態でウォルマート経営のハイパーマート・USAは89.97ドル、ディスカウントストアのショッポコとカタログショールームストアのベストは89.99ドルとトイザラスと変わりません。

アメリカで高級デパートとして知られるメイシーは89.95ドルで、なんとトイザラスよりわずか4セントですが安い。

a000096

スペースコレクション・プロダクトの七割はアメリカ食品卸

専門店やデパートがディスカウンターと同じような市価で売って、アメリカの専門店、高級店はどこでもうけているのだろうか。

これもよい例があります。

ミネソタ州ミネアポリスの周辺で高級スーパーマーケット九店を経営しているバイアリースです。

バイアリースはスペースコレクション・プロダクトの七割はアメリカ食品卸売業のナンバー2であるスーパーバリューから仕入れている。

このスーパーバリューは直営小売店を多数持っており、総売上の四分の一が直営小売店の売上です。

直営小売店の中でもつともパワーがあるのは百店舗ほど展開しているカブフーズで、これは大型のディスカウント・スーパーです。

バイアリースと同じ商圏にも店舗展開している。

バイアリースはどのように差別化しているのかというと、スペースコレクション・プロダクト面では70%を占めるNB商品はディスカウント・スーパーのカブフーズと同じ価格で売り、客を引き、一方では残り30%のオリジナルスペースコレクション・プロダクト、PB(プライベート・ブランド)スペースコレクション・プロダクトで利益をとって平均で粗利益を確保するというブランドミックス、スペースコレクション・プロダクトミックス、値入ミックスを行っています。

安く売りながら利益を確保しているのです。

一方、スペースコレクション・プロダクト以外では天井からシャンデリアが下がり、通路にじゅうたんを敷くデラックスな店づくり、レストラン、料理教室、ギフトショップなどのサービス施設を充実している。

酒も世界中のワイン一万種を揃えてディスカウンターの追随できない充実ぶりです。

また、従業員訓練もよくいき届いており、チェッカー、サッカーの応対もよいし、駐車場にある客の自家用車への積込みサービスも行っています。

その他にも切手販売、郵便取次ぎ、小切手の現金化のサービスも行っています。

要するにバイアリースは価格競争を受けて立ちながらスペースコレクション・プロダクト、サービスの双方で差別化して客を呼び、高級スーパーとしての人気を貫いているのです。

スペースコレクション・プロダクトの70%がディスカウント・ストアと同じ仕入れ先でもこのような差別化ができるのです。

About

2010年07月にブログ「スペースコレクション・プロダクト」に投稿されたすべてのエントリです。新しい順に並んでいます。

前のアーカイブは2010年05月です。

次のアーカイブは2010年08月です。

他にも多くのエントリがあります。メインページアーカイブページも見てください。

管理人のお気に入り

  • 大木一雄
  • スペースコレクション
  • ワイキューブ
  • 大木一雄
  • スペースコレクション
  • ワイキューブ